拙者の写真修行小屋

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2018年 02月 24日

白鳥流し撮りバカ一代記・2018 partⅣ








では、part Ⅳです





2年前、『対白鳥用決戦兵器』として
EF100-400mm F4.5-5.6 IS Ⅱ USM
を、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入した
それまでEF70-300mm F4.5-5.6L IS USMで勝負していたため
写り・AF性能、そしてポジショニングの柔軟化効果は絶大で
今でも、ここ数年で一番の買い物だったと思っている(70-300は現在スナップ用レンズとして活躍している)

そして、今年新たに導入したサブウェポンがある
マルミ光機 可変ND(N2.5~N500)である
PLフィルターさえ使わない私にとって、フィルターに2万3000円は非常に高価であったが
流し撮りをする以上、NDは、地味に、しかし無くてはならないアイテムなのである

当たり前だが、1/5secというスローシャッターを切ろうとする場合
F値が日の出とともに、とんでもない高値に達してしまうからだ
夜明けが近づくにつれて、オートISOが100に達し
さらにF値が11になるあたりでISOを下限の50に切り替えるのだが
それでも、晴天だと、日の出直前頃でF値は13くらい、陽が昇ればあっという間に上限の32に達してしまう
日中ともなれば、いくら無理をしても1/20sec程度を維持するのがやっと、といった感じになり
もはや、「流し撮りのようなもの」しか出来なくなってしまう
だから、以前の私は、朝日が顔を出せばもう撮影をやめざるを得なかった(止め絵を撮ればいいという考えは無かった)
いつか太陽のもとで流し撮りをするのが、ちょっとした「夢」だったのだ
(昔、沢尻エリカのドラマでそんな感じなのありましたよね 笑)

可変NDは、そんな夢をきっと叶えてくれる、と思った






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これが夢にまで見た、太陽のもとでの流し撮りデビュー戦
正確なパンが出来た、という確かな手ごたえがあり、嬉々としてモニターを確認した

違和感があった

何かがおかしい
違和感を確信に変えたくない、という現実逃避にどうにか抗い、拡大表示をした








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正体は、これである
翼に、黒い帯状の「穴」が開いている
やや思案して、それが「白鳥自身の首の影」であることに気づいた
打ち下ろした翼をスクリーンのようにして、影が映っていたのである








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さらに、これは上の写真の第二シャッターの写真
皮肉なことに、正確なパンが持続している
首の影の代わりに、「翼の影」が写り込んでいる
そうでなくても、描写が硬質で優雅さが無い
これは興冷めだ

結局、可変NDはせいぜい「影が出来ない程度に曇っている天気の日中」にしか使えないことが分かった
曇っている日であれば、F値を小さくして描写を柔らかくする効果は得られるだろう

もう一つ欠点がある
「AFが低下する」、ということである
NDにAF機能を低下させるという取り扱い上の説明は無いが、明らかな実感があった
F値を大きくし過ぎた時も、同じような症状がある(特に、動きモノを撮ろうとする場合)
メカ音痴なので理屈は全く分からないが
1/5secを確保するために、ほぼ真っ暗になるほどNDの効果を強めるのだから、そんな影響があってもおかしくはない

今でも可変NDはおまじないのようにポケットにしのばせているが、あくまでも「非常用」である








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やはり、白鳥の流し撮りは、夜明け直前の薄光下でこそ
無理のない設定で、かつ白の美しさを最大限に際立たせることが出来る

ところで、今年の白鳥は例年以上に「早起きである」との評判だ
オートフォーカスも効かぬ暗蒼の時間帯から、全体の3割ほどが飛び立ってしまう
つまり、シャッターチャンスは例年より30%減、ということになる

この写真も、ISO1250という、厳しめの設定で撮った1枚だ
スローシャッターでISOを稼げる流し撮りでなければ、まともに撮影することさえ無理なはずである

正確なパンで追えている・・・という手ごたえに水を差す、テイクオフが遅れた右端の1羽
ただ、こんなことはしょっちゅう(むしろ、イレギュラーが発生しないことの方が稀だ)なので
いちいち残念がっていては写欲が維持できない








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流し撮りの基本は、真横パンであるが
それでも、被写体との距離は連写の間に遠→近→遠と
まるでドップラー効果のように目まぐるしく変化する
いくらか気持ちにゆとりができるとすれば、最後の「→遠」
つまり遠ざかってゆく彼らを追いかけてパンしている時だ








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一応、勝負どころは最初の「遠→近」の部分だと思っている
最後の「→遠」は、まぁ、良く言えば「余韻」、悪く言えば「ついで」のようなものだ
連写を終え、その「ついで」の部分を、コンビニで漫画雑誌を立ち読みするような気分でモニター確認する
めくっては削除ボタン、という、流し撮り撮影においては慢性的となっている動作の中
時々、ハッとするような風を見つける








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まことに、どの角度から見ても完璧な美しさを誇る、北風の化身達である








partⅤに続く












by kobatetuapril | 2018-02-24 22:24 | 白鳥 | Comments(3)
Commented by junpei-misaki at 2018-02-24 23:43
こんばんは。
実録レポのようで、この先どうなる!? という緊張感を持って読みました。
パート5、ますます期待が高まりました。
Commented by susatan at 2018-02-25 07:11
おはようございます
ワタシは 技術的なことも…ですが とにかくメカ音痴(涙
そんなワタシですが じっくり じっくり拝読いたしました。
「撮りたいもの」への情熱が 溢れてるんですもん!!
一枚一枚の写真 どれも「凄い!!・綺麗!!」って思っちゃうんですょ^^
その一枚一枚に ご自身の思いや反省点を書いて下さると
作品に感動しながらも その奥深さに 別の感動を覚えてしまいました。
Commented by kobatetuapril at 2018-02-27 23:14
キース・ヤングさん、すさたんさん、コメントをいただきありがとうございます。
いつも以上に自分がたりが強烈な記事で、ご覧になって下さっている方々に大変申し訳なく思っているのですが、
すみません、どうしても、白鳥の流し撮りばかりは、私が写真という芸術の中で一際プライドを持って取り組んでいるところなので、語らずにはおれないのです。
情熱も度が過ぎればもはや共感を呼ぶどころではないことも、また、プライドといえばまだ綺麗ですが、半分以上は「意地」の様な執念で撮影していることも、分かってはいるのですが、こればかりはやめられないのです。
この国の最も寒い時期に訪れる美しい翼達のために、燃え尽きるほど熱くなりたい、と思ってるのです。

>メカ音痴
私もこの点については負けてはおりません。
解像度とか、収差がどうとか、レンズの絞りがどんな形で何枚だとか、そういったもの何にも理解してません。
でも、一度にたくさんのことを考えることが出来ない人間なので、そういったものを理解して拘りだすと
始末に負えなくなりますから、あえて(あと、単純にものぐさだから)メカ的な知識は身に付けないようにしています。
メカは、早く正確にピントが合ってさえくれれば、もう何の文句も無いです(笑)
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