2018年 01月 28日
三重県に、3泊4日の旅行に行ってきました 子供を鳥羽水族館や名古屋の東山動物園に接待する目的が半分と 私が心から愛し、そして憧れてやまない 熊野灘 を巡るという目的が半分、です 「熊野灘」とは、一般的に紀伊半島の東側、定義的には和歌山県の最南端・潮崎から、三重県の東端 大王崎 までの海域を言います 熊野灘の、何が一体そんなに好きなのか、というと まず、「クマノナダ」という勇壮・豪壮な響きが美しいことと 初代・神武天皇の東征におけるハイライト・熊野入り(「ヤタガラス」もこの辺りで登場します)を飾る 「太古の海・神の住まう海・我が国の、日本人の曙の海」 という、たまらないロマンがあるからです ミーハーなので、それだけで、日本人のルーツに触れるような感慨に浸れてしまうのです 海無し県・信州人ならではの憧れがあることも、言うまでもありません 勢い余って、「熊野灘を歩く~海の熊野古道案内~」という激シブな本を購読してしまうくらい とにかく猛烈に好きなのです 本来であれば、この熊野灘の北から南までの津々浦々をことごとく、何泊もかけて巡りたいのですが そんな贅沢は叶わぬ駆け足旅行ですので、カミさんにおねだりをして どうにか、「大王崎」にだけ立ち寄る許可を頂きました 撮影タイムリミットは1時間 相棒は、フルサイズデジイチを差し置いて、すっかり主戦機となってしまったRICOH GR 大王町のスナップ、開始 かつては真珠販売が盛んであったのであろう面影を、そこかしこに垣間見ることができる 波の音さえ、静寂を深めるための伴奏のように思え 真綿に染み入る水のように コンクリート建造物の多い街並みに吸い込まれて行く 坂道に 階段に 冬の陰達のパースに 仰ぎ見た青空に滲むフレアーに うねり続く丘に微笑みかける水平線に 波の囁きに ふと手を置いた防波堤の、風化してゴツゴツとした手触りに しんと静まり続けるのであろう窓辺のぬくもりに 潮風に揺れる、緩やかな五線譜の様な電線に ときめきがとまらない
by kobatetuapril
| 2018-01-28 21:44
| 旅行
|
Comments(7)
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mminorun at 2018-01-29 09:20
いらしてたんですか!!!
熊野に! kobatetuさんが撮ると風景がまったく新しい世界ですし、 行ったことのない場所もあったり、いっしょに熊野の散策をたのしませていただきました。 静かな描写なのに、心がザワザワします。 逆光で見上げた植物やその次のススキ。何気なさそうに見えて、でも、撮れないですよー。 おなじような対象を見つけても、光と感性と技術が合致しないと。 そして、ところどころで語りの言葉が入るのがしびれます。 海はいいですね。 わたしも長野県に4年間暮らしていたことがあり、とても好きな場所です! と同時にやはり海が恋しくなって日本海や太平洋に車を走らせることがありました。 つづきのkobatetuさんの熊野ワールドもたのしみにしています(^^)/
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mzdog43 at 2018-01-29 16:03
去年だったかなあ。一昨年か。僕も何十年ぶりかで大王崎へ行きました。
いいところですね。 でも、寂れてましたなあ(;^_^A 以前行ったときは・・・もう20年ぐらい前ですけど、結構繁華な感じだったのに。 観光客、もう灯台なんか見に来ないのかなあ。 でも、その寂れた感じがまた良かったです。 商売している人はたまらんでしょうけどね
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mon21mon at 2018-01-29 21:22
こんにちは。
文章でも書いてらっしゃる様に、人気が少ないですね。その分、凛とした空気感が伝わってくる様です そして、自分はkobatetuaprilさんの家族スナップ、とても好きです。いつも自然な笑顔がいいです
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junpei-misaki at 2018-01-29 23:14
こんばんは。
海風に吹かれながら耳を澄ませば、かつての栄華の残滓が少しずつ見えてくる、そんな町に思えます。ぼくが好きな旧産炭地の寂れた町と相通じるものがあるのかもしれません。
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yutorie2 at 2018-01-30 19:17
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kobatetuapril at 2018-01-31 00:14
皆様、コメントをいただきありがとうございます。
>mminorunさん え?「いらしてた」っていうことは、 mminorunさん、もしかして熊野灘近くにお住まいなのですか? だとしたら・・・なんて羨ましい! 私が熊野灘好きになったのは、以前に奈良の十津川温泉から玉置神社(玉石社)に向かい、熊野川をたどって熊野灘に出て、尾鷲で漁師さんとヤーヤー祭りを見て・・・というのがきっかけとなっています。 どれもこれも私には憧れそのものの風景・風情で、すっかり紀伊半島のファンになってしまいました。 その中でも、特に、熊野灘に感じるロマンは際立ってます。 残念ながら、今回は駆け足旅行でしたので、「ワールド」と言えるほどの記事はかけないのですが、 この後もう一つ、大切な思い出になった記事を書きます。 よろしければ、是非ご覧頂けたら、と思います。 > mzdog43さん >寂れた感じがまた良かった まさに、それなんですよね。こんなこと言ったら地元の方には失礼かもしれないんですけど、 特に大王崎灯台付の、廃屋が密集しているあたりの雰囲気が、私が思い描く海辺の街そのものでした。 私は、やはり変わってるんでしょうね、その風景を見てると、「寂しい街だな」、って思うんじゃなくて、 「自由だな」って思うんですね。 で、その自由と憧れを背にして高々と、潮風に向かってそびえる大王崎灯台が、すごく清らかなものに感じたんです。 > mon21monさn ありがとうございます。家族写真は、そうではない人物写真を撮るのとはまた違った心の距離感で撮影できて、あとで見直した時にフワッと思い出がよみがえるのが好きで、 また、特に最近はGRで撮る家族写真にすっかりハマっています。 この撮影では街のスナップを撮りたいという欲求がどうしても高まってしまって、家族の写真はこれとと数枚しか撮れなかったのですが、 子供が、嬉しいことに楽しい街だった(ホントかな?)って言ってくれましたので、今度行くときは「カミさんと子供と大王町」の写真が撮れたらいいな、って思ってます。
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kobatetuapril at 2018-01-31 00:23
> junpei-misakiさん
「寂びれた街」が好き、なんて言うと、例えば宿泊した民宿の主さんなんかからは「渋いね(直訳すると「物好きだね」)」って言われますが、 同じカメラマン同士で「寂びれた雰囲気が好き」って言うと、「あぁ~!分かる!」ってなるんですよね、かなりの確率で。 なんでなんでしょうね。カメラマンの感覚っていうのが、いくらか浮世離れしているってことなんでしょうか? > yutorie2さん いい天気で、青空と灯台の白亜が綺麗でしたからカラーの方がいいかな?って思いましたが、 「スナップらしくカッコつけてみたい」という欲求に負けてモノクロにしてしまいました(笑) 鳥羽付近は真珠養殖・販売が盛んなところですから、昔は今よりある意味活気があったのではないでしょうか? 青春時代の始まりまでを、こんな素晴らしい場所で過ごされたこと、羨ましく思います。 私は根無し草の異動族なので、今の土地に愛着は持っていても、いつか去るのだろうな、ともうと ちょっと虚しくなったりします。 で、定年退職したら熊野灘の見える街で暮らせたらいいな、なんて、いい歳こいて現実味の無い夢を見たりします。 |
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