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拙者の写真修行小屋

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2017年 12月 02日

櫛を挽く~木曽郡木祖村藪原宿 ‘‘ お六櫛 ‘‘職人北川聰さん ~





昔々、木曽は妻籠宿の旅籠の娘「お六」は、頭痛に悩まされていました

そこでお六はある日、御嶽大明神に願掛けを行ったところ

「ミネバリの木で櫛をつくり、髪をすくがよい」

というお告げを受けました

そこでお六は、藁にもすがる想いで、お告げのとおり櫛をつくり髪をすいたところ

嘘のように頭痛が治ったのだそうです

その噂は街道の人々の間に広まり

いつしかミネバリの櫛は「お六櫛」と呼ばれるようになった、ということです






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というのが、私たちの祖先である櫛職人のつくり話です

「御嶽大明神のお告げにより」

っていうのが、いかにも木曽的でしょう






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これがミネバリの樹を櫛の概形に木取ったものです

ミネバリは、別名を「オノオレカンバ(斧折れかんば)」といいます

斧も折れるほど固い樹、ということです

比重も重くて、水に浮かべようとしても沈んでしまうほどです







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では、これから櫛を挽きますよ








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あ、写真を撮るのであれば、帽子を脱ぎましょうか


















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櫛の歯が均等に挽かれていることに驚いているようですね

実は、このノコギリにちょっとした仕掛けがあるのです

大きな刃の隣に、もう一つ小さな刃があるでしょう

櫛の歯を挽くときこの小さな刃が、次の歯挽きの目安を付けるわけです








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でも、それだけでは平行な歯を幾筋も引いていくことは出来ません

そこで、左手の人差し指が大切な役割を果たします

お蕎麦を切るとき、包丁に木の板を当てるでしょう

櫛の歯挽きでは、この人差し指が、板の役割を果たしているのです
















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歯挽きの跡に行う工程が「歯擦り」です

歯先や歯間に丸みをつける、ヤスリ掛けみたいなものです








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これが歯擦りに使う道具です

木の棒に、植物の「トクサ」を貼ったもので

丁度よい擦り加減が得られるのです









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この工程を表裏面に行うことで櫛の概形が出来上がります

この後、磨きや油ひきを施して完成となるのです








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いかがでしたか

享保の昔からお六櫛の技法は脈々と受け継がれ

昭和48年には信州の無形文化財に、その後・昭和57年には長野県の伝統工芸品にも登録されました

私がつくったお六櫛が、海を渡り、モナコ公国の公女様に献上されたのは、ちょっとした自慢です

それは置いときまして、お六櫛がこの先の未来でも‘‘実用品‘‘として

女性の美しい髪をすいてゆくことが、私たちの願いです

身近に、使われ続けてこその伝統なのです













































































by kobatetuapril | 2017-12-02 00:33 | 職人 | Comments(0)
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