拙者の写真修行小屋

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2017年 11月 15日

一億年の錦 Ⅰ ~うるし工房・石本玉水~






第一回

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石本玉水さんの工房である

奥にいらっしゃる女性は石本さんの奥様・愛子さんであり、ご夫婦で漆芸職人をされている

天井を覆うほどに並んだ蛍光灯

今まで撮影させて頂いた、巣山元久さん・山崎敏男さんの工房、特に巣山さんの蔵と比べると、圧倒的に明るい

(ちなみに、石本さんは巣山さんのことを「もっちゃ」と呼んでいた)

更に、手元を照らす電気スタンドがある

カメラを構える私に対し「スタンド、消しますか?」とお訊ねになられた

露出は不安定になるだろうが、面白い陰影が出そうなので、いつもどおりの照明で仕事をして頂くこととした






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本題に入る前に、まず、「沈金」とは何か、ということである
前回の山崎さんからお話をうかがっていて、ある程度はイメージがついていたが、見たのは当然初めてであった
素人なりに説明をさせてもらうと
一、漆塗りを施した木材に鏨で紋様を彫り
二、彫った溝に薄く漆を塗り(これが接着剤の様な役割を果たす)
三、金や顔料を擦り込み、「沈ませる」
という技法である
当日、石本さんは、金に加えプラチナ(写真右側)と、青系色の顔料(同左側)を使用されていた
石川県の輪島塗りで盛んな装飾技法であるが、ここ木曽平沢ではめずらしいという






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漆芸というと、一般的には「塗る」というイメージが定着していると思われるが

沈金には「彫る」という工程が加わる

これが紋様になるのだから、当然、失敗は許されない

私には、シャッターを切る前に「息を止めて構図を整える」という悪癖がある

だから、ただでさえ息苦しいのに、シンと静まり返った工房の中で

万が一にも手元をくるわせるようなことをしてしまってはならないという緊張感から

血中酸素を欲して拍動する心臓の悲鳴まで聞こえてくる始末だった






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「もっと気楽にどうぞ(笑)」という、奥様の優しいお声がかかったが、中々、そうはいかない






続く













by kobatetuapril | 2017-11-15 22:30 | 職人 | Comments(4)
Commented by pikorin77jp at 2017-11-15 23:36
素晴らしい職人さんの手、顔、、 こんなお写真をこんな身近で 撮ることができる方、
tetukobayashiapril さんはそういう方なんですね。信頼、でしょうか。
Commented by kobatetuapril at 2017-11-15 23:56
pikorin77jpさん
こんばんは、コメントをいただきありがとうございます。
いえ、私は、ものっすごい人見知りで、職人さんにアポイントを頂く電話をかける時にも緊張して、カミカミで、もう何言ってるのか分からなくて、まるで不審者なのですが、こんな私に写真を撮ってもいいよ、と言ってくれる方達に対しては、浅間温泉のたいまつ祭りでもそうですが、「絶対に、この人の最も美しい瞬間を撮りたい!」って思って撮らせて頂いている、それだけです。
話が下手で、気持ちを上手く伝えることは出来ないけど、私は、真摯な人が、誇り高い人が、美しく輝いてる人が、とにかく好きなのです。
撮らせてもらっているだけでも充分幸せですが、こんな私の想いが職人さんや祭り男達に伝わっているのであれば、それ以上にカメラマン冥利に尽きることはありません。
Commented by tad64 at 2017-11-16 17:55
タッドです。この度は私の所にお立ち寄り頂いた上ご丁寧なコメントまで頂き本当にありがとうございました。
14年前リタイアするとき会社から当時発売されたEOS10Dを記念品として頂いたので、それから写真をはじめだしました。
当初は旅行先の写真や舞妓さんの写真を撮っていましたが年と共に重たいカメラが苦になりコンデジで楽しんでいました。
最近コンパクトなミラーレスを買って楽しんでおります。
一応その間のメイン写真はカテゴリーに分類して保存していますので又見て講評など頂ければ幸いです。
今後とも宜しくお願いいたします。(京都在住・76才・男性)
Commented by kobatetuapril at 2017-11-16 22:17
tad64さん、こんばんは。コメントをいただきありがとうございます。
センスがお若いので、御年76歳とはとっても意外でした。私は40歳ですから、丁度親子の様な年齢差ですね。普通に写真活動をしていたのではなかなか仲良くなれない年齢層の方とお付き合いさせて頂けて、ブログをやってて良かったな~と思います。
私の写真歴は、大学の写真サークルで、フィルムでモノクロ写真を撮っていました。卒業後は熱が冷めちゃってたのですが、EOS40DのCMを見て、ふと学生時代が懐かしくなり、それを買ったのが再燃の始まりでした。なんだかタッドさんと近い感じですね。
こちらこそ、末永くよろしくお願いします!
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