拙者の写真修行小屋

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2017年 11月 02日

マルタイ山崎漆器店・山崎敏男さんⅠ~漆工町・木曽平沢~



予告どおり、新シリーズは

漆工町木曽平沢、マルタイ山崎漆器店・山崎敏男さん

をお送りします

ところで、私がこの町で漆器職人さんを撮影させて頂くのは

巣山元久さん http://kobatetu.exblog.jp/25237845/

に次いで、お二人目となります

巣山さんの工房とお宅は登録有形文化財に指定されていて

平沢の通りを歩いていても、立ち止まり、思わず二度見するような佇まいです

そして、お仕事ぶりは、工房である蔵に射す淡光に似つかわしく、ゆったりとして、

時がとまったかのような静寂感と重厚感があって、盆を乗せた轆轤の、カラカラと回る音のみが響いており

私は図々しく「まだ撮ってていいですか?」とお願いして、巣山さんがお昼休みをなさるまで2時間も撮影させて頂いたものでした



一方、山崎敏男さんがこの日なさっていたお仕事は、伊豆の旅館から修復を依頼されたという座卓の塗り替え

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とにかく、動きが速い

巣山さんの時と同じように、標準と望遠ズームを交換しながらジックリと撮るつもりでおりましたが

EOS 5DMarkⅢのAIサーボが追い切れないほどの迅速な動きで、座卓をあっという間に塗り替えていらっしゃいました

この写真はシャッター1/125secで撮影していますが、刷毛を持つ手先の被写体ブレが全く止まりません

体と足の動きもリズミカル、というより「迅速」で、座卓の四囲をステップを踏むかのように一周したかと思うと

「はい、一丁上がり」

なのです

それはもう、呆気にとられるほどの手際で、私は、この時点で望遠ズームの使用を諦め

標準ズーム一本で勝負することに決めたのです

シャッター速度は1/250secに上げました






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私がこれまで抱いていた漆器職人の姿は

巣山さんのように、轆轤を前にして、呼吸さえ止まっているかのようにシンと静まり返っている、というものでしたが

山崎さんのお仕事ぶりは、そのイメージとまさに、対極なのでありました

仕事着には漆の飛沫が幾重にも付着し乾燥していて、その動作を物語る彩りのよう






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「もっと、ゆったりしたのをイメージしていたでしょう?写真映えはしないんじゃないかな?」

とおっしゃる山崎さんでしたが、私は、標準ズーム故、塗り替え中の座卓にぶつからないよう、足元に恐々として注意を払いつつも

その所作に惚れ惚れとしていたのでした




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そして、山崎さんのもう一つの魅力は、何と言ってもこの笑顔

予告編で「フォーカスを吸い寄せる笑顔」と書きましたが

刷毛を持つ手は休ませず、ぶっきらぼうな受け応えをする私にも私にも色々とお話をいただき

何度も笑みを浮かべて下さったのでした

ファインダー越しにそれを見つめる度、ハッとして、一瞬、打たれたように、シャッターを切るのを忘れ、見とれるほどでした






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『漆風呂(うるしぶろ)』についても教えて頂きました






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塗りを終えた漆器は、次の重ね塗りをするために、ひとまず乾燥させる必要があるのですが

急速に乾燥させると表面が縮んで皺が寄ってしまうので、霧吹きで湿度を持たせた棚の中で

ゆっくり乾かす必要があるのだそうです





~第2話に続きます~










by kobatetuapril | 2017-11-02 23:14 | 職人 | Comments(0)
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