拙者の写真修行小屋

kobatetu.exblog.jp
ブログトップ
2017年 07月 18日

紫への序曲~居谷里湿原のリュウキンカ~

大町市・中綱湖のオオヤマザクラが多くのカメラマンを惹きつける頃
実は、すぐ近くにある居谷里湿原では水芭蕉がひっそりと見ごろを迎え
そして、やはり多くのカメラマンの記録に収まらないまま散ってゆく

今年の私も、そうやって居谷里の水芭蕉の花見ごろを逃した
中綱湖を撮るために、あえてスルーしたのだ、と言えば、いくらか気がまぎれるが
やはり、もったいないことをした、とも思ってしまう
体が2つあればいいのに・・・
そんな風に考えるカメラマンは多いのではないだろうか

中綱湖の撮影から一週間後の中綱湖
多分、もう水芭蕉は散ってしまっているだろう
予想しつつも訪れた居谷里湿原
薄い霧の中、山桜が咲いていた

d0349418_21465245.jpg


中綱湖のオオヤマザクラよりは遅く
その周りの八重桜よりは早い
そんなタイミングだ

d0349418_21473423.jpg



そして、リュウキンカの姿

安曇野市では、写真家にして昆虫研究科である「田淵行男」記念館の
庭に咲くことが知られており、毎年、ソメイヨシノ開花前頃の地元新聞分季節欄をそっと飾る
その花期は、福寿草よりは遅く、梅や桜よりは早い
だから、私は「田淵行男記念館にリュウキンカの咲く」の記事を見ると
いよいよ春到来だな、と思っている

d0349418_21540068.jpg

ところが、居谷里では、そのリュウキンカが、桜のピークよりも
さらに遅い時期に花盛りをむかえる
安曇野市と大町市は松川村・池田町を隔ててほぼ隣り合う地域であるが
生態系の見せる季節感にはずいぶんな違いがある
ちなみに、上の写真でリュウキンカの前に繁殖している大きな葉は
水芭蕉が散った後の姿である

d0349418_21582669.jpg


正直、この花をしげしげと眺めたのは、写真を撮るようになって以降
初めてだったかもしれない
新聞記事で見る姿は、これまではあくまでも季節感の目安でしかなかった
「これが咲いたということは、そろそろ梅が咲くのであろうな」
その程度の存在だった

d0349418_22034516.jpg

そんな花が、霧越しの日の出を浴び
朝露を纏った草と競い合うように、素晴らしい光を放っていた
今年撮影した桜の記録の、いずれにも劣らない美しさだと思った
めずらしく慎重にハレ切りを行い
光芒の描写が強くなりすぎないように絞りを調節した


半月後、居谷里ではいよいよ「主」と呼ぶべき群生が開花する
水芭蕉もリュウキンカも、いわばその序曲にすぎないが
単に「露払い」と表現するには、リュウキンカの黄色はあまりも輝かしった


~ 紫への序曲 ~


~ 完 ~










by kobatetuapril | 2017-07-18 22:37 | 風景・スナップ | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード


<< 紫・礼讃~居谷里湿原・サワオグ...      海(故郷)へ~親海湿原のミツガシワ~ >>