拙者の写真修行小屋

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2019年 01月 15日

紫・礼讃Ⅰ~親海湿原のカキツバタ~





塩の道の中央・親海湿原
戦時中は泥炭の採取地であったというこの湿原は
外観は「山間の小さな窪地」といった様相で、すぐ隣には畑地さえ広がっており
同じ県内にあり「東京ドーム45個分」の広さを誇る八島ヶ原湿原に比べれば
知名度も訪れる人もほぼ皆無で、ひっそり長閑、という形容が良く似合っている
しかし、春の名乗りを上げる古代花・ミツガシワの高密度かつ広範な群生はおそらく県内随一であろうし
その後も7月のコオニユリの頃まで原色系の花が目まぐるしく咲く様は
信州の花の名勝と称して全く不足ない
八島ヶ原等の大規模湿原が多様な花を同時に開花させる百花繚乱ぶりであるのに対し
親海は原色の花が行儀よく順序だって咲いては消え、また咲き誇り
まるで腕の良い花火師が打ち上げるスターマインを見ているようである





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ミツガシワの白色が新緑を染めた後
湿原を彩るのは、サワオグルマとカキツバタである
隣の居谷里湿原ではサワオグルマの開花がやや早いが
親海の場合、この2花は、ほぼ同時に開花する
美しさの価値観は人それぞれであるが
サワオグルマの黄、カキツバタの紫、そして新緑のトライアングルが調和するこの時期は
少なくとも「彩」という評価基準においては
この湿原の最高潮であると思う





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カメラマンであれば「体が二つ欲しい」という願望を
忙しさまぎれの冗談などではなく、本気で心底抱いたことがあると思う
この時期は、居谷里と親海が同時に花期のピークを迎えるため
前日夜まで、ネットの情報をかき集めて悩みに悩む
これがほぼ毎週続くのだから、本当にたまったものではない





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この日は親海を選んだ
丁度よく、霧が出ていた
以前にも記したが、霧は(少なくとも、親海・居谷里の霧は)
「二日以上晴天が続いた場合の晴天日の日の出前」
に発生する
雨上がりなど、いかにも出そうな気がするが、意外とそうではない
雨霧、というのもあるが、これは似て非なるもので
フィルター状に、柔らかく光を浸透させる霧が発生するのは、やはり晴天のみである





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日の出が近づくにつれ、霧が一層濃くなっていった





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質量のある霧がたゆたい
オレンジ色の花
美ヶ原高原のシンボルフラワーであるレンゲツツジが垣間見えた
「カキツバタのシーズンが終わったら、今度は美ヶ原だな・・・」
また、体が二つ欲しくなった





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親海湿原の風情に欠かせないのがこの木道である
湿原のほぼ中央をクランク型に走っており
撮影の自由度を上げたり、また時に下げたりしているが
私はいい点景だと思っている
特に、親海の木道は道の両側を花が密集して咲く傾向にあり
まるでおとぎの国へ通じる道のようでメルヘンチックだ
行く手に山林が立ちはだかるという構成がまた良い
以前は、名前通り木製であったものが樹脂製となってしまったが
素材を木目調としたことで趣の低下は最低限に抑えられた
ついでに、私のような体の大きな人間が通過しようとして
板を踏み抜くといったアクシデントも抑えられるようになった






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この日撮影した中で一番のお気に入りの一枚
霧が、右側の山林をのぞかせるタイミングを辛抱強く待って撮影した
日の出前の貴重な時間を消費したが、その甲斐があったと思っている





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日の出がせまっていた





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紫・礼讃Ⅰ

~ 完 ~









































# by kobatetuapril | 2019-01-15 18:20 | 風景・スナップ | Comments(1)