2016年 10月 08日
奈川獅子・最終幕は、再び青年狩人が登場 扇子の舞との、最後の、そして最も激しい協奏が始まる 『華麗』をはるかに通り越し、もはや『激烈』の域 カメラマンも、最後の集中力でズーミングとAFポイントの切り替えを行います 太鼓や笛の音をもかき消すような 荒ぶる鼓動まで聞こえてきそうだ 決めポーズの一つ一つが、大正時代が始まりであるとは信じられぬくらい 現代的な「格好良さ」を放っている 「カッコいい」 陳腐な表現かもしれないけど、それより適切な言葉が、とっさに見つからない そのくらい、シビレているから 疲労が、滲み出る あともう一息だ 最後の、キメ 闇夜に木霊する 勝利の雄たけび かつて、奈川獅子はこの「天宮大明神」がある 寄合渡集落の若者だけで舞われてきたものである 過疎化のすすむ村、若者は減る一方だが そうかといって、この激流のような舞いは若い者以外に出来るものでは決してない 第一、ほとばしる様な若さこそが、この舞の最大の魅力でもあるのだ そのため、近年は松本市奈川(旧奈川村)全体の若者を集め 舞を受け継いでいるのだという 若者たちは、数か月も前から、この一夜のために 方々から集まり稽古を行うのだそうだ 凄まじい練度と一体感の源に深く頷くと同時に 強い絆を感じさせられるエピソードである 現在、奈川の人口は766人 どうか、この熱い絆をいつまでも、いつまでも、紡いでいって欲しい 私は、この奈川獅子を、信州、いや、日本屈指の芸能だと思っている 一幕一幕の合間ごと、ファインダーから意識が解放されるや 村の衆と手が痛くなるくらいの拍手をおくっていた そんな感動の分かち合いは、繰り返される日常生活の中で 一年の中で、この初秋の夜をおいて他に無い 奈川獅子が受け継がれ続く限り、撮り続けたい カメラマンとして 最高に美しい人々の所作を 記憶にも記録にも残していきたい 奈川獅子 今宵、獅子を薙ぐ 激流少女 766人の、絆 ~ 完 ~
by kobatetuapril
| 2016-10-08 14:42
| 風土
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